毛越寺(もうつうじ)

毛越寺(もうつうじ)

概要

毛越寺とは

寺伝によると850年(嘉祥3年)、中尊寺と同年に比叡山延暦寺の高僧慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって開かれました。
その後、藤原氏二代基衡(もとひら)、三代秀衡(ひでひら)の時代に多くの伽藍が造営されました。「吾妻鏡」によれば、「堂塔四十余宇、禅房五百余宇」あり、中尊寺を凌ぐ程の規模で、金堂の円隆寺は、金銀・紫檀をちりばめ、その荘厳さは「亜朝無双(我が国に並ぶものがない)」と評されました。

奥州藤原氏滅亡後、度重なる災禍に遭い、すべての建物が焼失しましたが、現在、大泉が池を中心とする浄土庭園と平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な状態で保存されています。
1989年(平成元年)、平安様式に則り本堂が再建されました。

浄土庭園とは

浄土庭園とは、仏堂と苑池(えんち:庭園と池泉。また池泉を主体とした庭園)が一体として配された庭園で、平安時代から鎌倉時代にかけて築造された日本庭園の形式です。
この方式の庭園は、仏教の浄土思想の影響を大きく受けており、極楽浄土の世界を再現しようとした為、金堂や仏堂等の寺院建築物の前に園池が広がる形をとった、自然風景式庭園となっています。

毛越寺は、その美しさだけでなく、日本最古の作庭書「作庭記」の思想や技法を今に伝える貴重な庭園といわれています。

御本尊

本堂に安置されている御本尊は薬師如来です。
特に、健康祈願・當病平癒(病気が完治して回復する事)にご利益があります。
※お寺では柏手は打たず、合掌してご参拝ください。

みどころ

平安様式の寺院建造物もさることながら、庭園が素晴らしいと評されています。
大泉が池の周りを一周できるので、是非、のんびりと散歩しながら藤原氏も見たであろう地上の極楽浄土を感じたいです(出来れば夕刻に訪れたい)。

体験

坐禅・写経

10~30名であれば、坐禅や写経の修行体験ができます。
事前に予約が必要なようです。詳細は公式サイトをご確認ください。

法話

10~200名であれば、20分~1時間の法話の拝聴ができます。
こちらも事前に予約が必要なようです。詳細は公式サイトをご確認ください。

毛越寺の公式サイトwww.motsuji.or.jp/index.html
※体験については「体験する」ページをご確認ください。

御朱印

山門(毛越寺の出入り口)を入ってすぐ右手側にあるお札所で拝受できます。
拝観の始めに御朱印帳を預け、帰りに受け取るようです(公式サイトより)。

芭蕉の句碑

山門から本堂に向かう途中、右手側に「夏草や兵共が夢の跡」の句碑があります。少しわかりづらいらしいので、見落とさないようにしたいです。句碑は芭蕉真筆句碑と、新渡戸稲造(岩手県出身)が訳した英文の句碑です。
源義経が自刃し、奥州藤原氏が滅亡してからおよそ500年後の平泉を訪れた芭蕉が高館(高館義経堂があり、毛越寺の飛び地境内)で詠んだ句です。

アクセス情報

住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58
参拝時間:8:30~17:00(3/3~11/4)、8:30~16:30(11/5~3/3)
※平泉駅より徒歩10分、中尊寺より徒歩25分程度
※参拝所要時間(目安):30~40分